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中央テレビ編集 


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◆Minimal Phone到着、そして始まる「第二ラウンド」
   〜スマホが2台届いた男の国際交渉術〜




◆ 前号までのあらすじ

 2024年のバッキングから約2年。度重なる約束不履行と、生成AI(Claude)を駆使した最後通牒を経て、2026年4月14日、ついに筆者の元に「Minimal Phone」が到着しました。本体到着までの激闘は前号にまとめた通りですが、ドラマはそこで終わりませんでした。箱を開けた瞬間、筆者はある「欠落」に気づきます。セットで届くはずの専用ケースが入っていなかったのです。ここから、Minimal社との第二の戦いの火蓋が切って落とされることになりました。

◆ 実機レビュー:2年待った期待の結末は、まさかの「実用不可」?

 トラブルの顛末を語る前に、まずは2年間待ち焦がれたこの端末の「道具としての実力」を率直にご報告しなければなりません。
 「Minimal Phone」は、3.5インチのE-Ink(電子ペーパー)ディスプレイに、物理5段QWERTYキーボードを搭載し、現代のスマホ依存から脱却する「デジタル・ミニマリズム」を掲げた端末です。筆者も大いに期待し、数週間メイン環境の一部として連れ歩いてみました。
 しかし結論から申し上げますと、その操作感は決して良好とは言えないものでした。 まず、最大の特徴であるE-Inkディスプレイですが、画面の書き換え(リフレッシュ)があまりにも遅く、スクロールするたびに画面が激しく点滅します。もちろんこれは電子ペーパーの特性ですが、Androidの一般的なアプリを動かすには無理がありました。メニューを開くだけでも一苦労で、ボタンを押せているのかどうかも判別しづらく、お世辞にも「快適」とは言えません。
 さらに致命的だったのが、物理キーボードです。BlackBerryのような小気味よいクリック感を期待していたのですが、キーの反応が非常に悪く、文字の入力こぼしが多発します。「ポチポチと正確に打つ」というよりは、「強く押し込まないと認識しない」というストレスの溜まる仕様でした。
 極めつけは、独自OS(MnmlOS)の不安定さです。アプリが予期せず終了したり、動作がカクついたりすることが日常茶飯事でした。スマホ依存を脱却するどころか、「操作する気が失せるからスマホを触らなくなる」という、なんとも皮肉な意味でのミニマリズムを達成する結果となってしまったのです。実用的な相棒として使うには、あまりにも厳しい完成度でした。

◆ 配送センターの奇跡:ケースを頼んだら「もう1台」届いた

 がっかりしたとはいえ、未着の専用ケース(Minimal Case)をそのまま諦めるわけにはいきません。筆者は即座にサポートへクレームを入れました。今やこちらには、2年間の交渉で鍛え上げられたAI相棒(Claude)がついています。瞬時に作成された理路整然とした英文メールをMinimal社へ叩き込みました。
 数日後、彼らから「ケースを別パッケージで再発送した」との連絡が入ります。 そして5月初旬、ついにその荷物が届きました。
 しかし、届いたパッケージの重さに筆者は違和感を覚えます。ケースにしては重すぎますし、箱のサイズも大きいのです。 訝しみながら開封した筆者は、思わず目を疑いました。 箱の中から出てきたのは、黒く輝く「Minimal Phone」の新品本体(もう1台)だったのです。
 なんと、Minimal社が契約している発送チームが、ケースの発送指示を勘違いし、もう1台のスマホ本体を誤発送してしまったのです。2年待っても届かなかった幻の端末が、ケースを催促した途端に2台目が降ってくる。この会社のオペレーションの杜撰さには、怒りを通り越して乾いた笑いしか出ませんでした。なお、本来のケースもその翌日に遅れてひっそりと到着しています。


◆ 泥沼の「Wise vs SWIFT」国際送金バトル

 「手元に注文していない2台目のスマホがある」という状況を、そのまま放置するわけにはいきません。筆者は正直に「ケースの代わりに、もう1台本体が届いている。どうすればいいか」とメールを送りました。Minimal社は慌てて「すまない!アメリカの本社へ送り返してくれ」と返してきました。
 ここからが、現在進行形の「第二ラウンド」です。
 当然、誤発送は100%相手の過失です。日本からアメリカへスマホを国際郵便(EMS等)で安全に返送するには、それなりの送料がかかります。筆者は当然の権利として、「返送にかかる国際送料を、事前に日本の銀行口座へ海外送金(SWIFT)で全額前払いせよ。着金が確認でき次第、発送する」と要求しました。
 これに対し、Minimal社から「変な返信」が届きます。
「送料は後から送金プラットフォーム『Wise(ワイズ)』で返金するから、先にそっちで送ってくれ」
 筆者はすかさずClaudeと作戦会議を開き、以下の鉄壁の返信を組み立てました。 「私はWiseのアカウントを持っていないし、今後も作るつもりはありません。そちらのミスなのですから、そちらが日本の銀行口座へ直接SWIFT送金すべきです。それが不服なら、この2台目の端末は送り返しません」
 すると数日後、Minimal社はさらに食い下がってきました。
「システム上、Wiseじゃないとどうしても返金できないんだ。Wiseは安全だし簡単だから、20ドルだけデポジット(入金)してアカウントを作ってくれないか? 作ったらユーザー名を教えてほしい」
 顧客に手間と20ドルのデポジットを要求してまで、自社の都合(Wise)を押し通そうとするその姿勢。2年間、発送を引き延ばし続けた企業の「甘え」が、この期に及んでも透けて見えます。

◆ 結び:終わらないQWERTY漂流記



 現在、筆者の手元には、操作感に頭を抱えている1台目のMinimal Phoneと、未開封の「人質」ならぬ「端末(2台目)」が眠っています。生成AIという強力なアドバイザーを背後に従え、筆者はこの不条理な国際交渉を、むしろゲームのように楽しんでいます。

 しかし、この端末で失った「物理キーボードへの渇望」は、同じく物理キーボードでしか癒やせません。

  「もう2年も待つのは御免だ。次は実績のあるプロに頼もう」 そう決意した筆者は、クラウドファンディングの老舗・Unihertz社がKickstarterで発表したばかりの新型機「Titan 2 Elite」への参戦(バッキング)を即座に決定しました。

 5G通信に対応し、12GBのメモリを積んだこのタフネス・キーボードスマホは、すでに生産体制も発送スケジュールも驚くほど明確です。発送を引き延ばし続けたMinimal社とは、企業の信頼度が天と地ほども違います。

 Minimal社との「Wise vs SWIFT」のバトルの決着。そして、新たに届くであろう「Titan 2 Elite」の実力。私のデジタル・ミニマリズムはどこへ行ってしまったのかという哲学的な問いを抱えつつ、激動の続きは次号以降にお伝えします。